おいしい名物
-
地域の食材で作った、
こだわりの
白カレー&黒カレー須﨑大漁堂の「食」は、
地域のおいしいものが主人公。名店五島軒とスペシャルコラボ
看板メニューは、「鍋焼きラーメンの次に、カレーを名物にしたい」というまち人の声に応えて開発した、「白カレー」と「黒カレー」です。コンセプトは、「カラダ思いのプロの味」。
白カレーは、須崎産の真鯛を丸ごと使った、鯛だしとかつおだしがベースの海のカレー。ふんわりとした口当たりの鯛の身は、うまみたっぷり。白味噌と醤油、生姜シロップを隠し味に、スパイスを工夫してマイルドな辛さに仕上げています。
黒カレーは、四万十ポーク・米豚のひき肉を使ったキーマカレーで、こちらは赤味噌と醤油、生姜シロップが隠し味。米豚の特徴である脂のおいしさを生かし、20種以上のスパイスでキリッとした辛口に仕上げています。黒い色は竹炭パウダーで、無味無臭ながら雑味を抑える働きがあり、パンチのある味と見た目に一役買っています。
ご当地食材が仲良くコラボ
白カレー・黒カレーには、須崎市をはじめ奥四万十の「いいもの」が数多く入っていて、味を引き立てています。
白カレーの真鯛は、須崎市野見湾で大切に育てた真鯛を使用しています。野見湾は養殖漁業の発祥地であり、おいしく育てる技術は今もなお進化を続けています。
黒カレーのメインとなる四万十ポーク・米豚は、四万十町窪川で生産されている、おいしい仁井田米を食べて育った豚。やわらかく、脂が甘いのが特徴です。竹炭はもちろん、虎斑竹の専門店「竹虎」製で、風味を添える生姜シロップは、日曜市でもおなじみの吉平商店が作る「吉平のあわせしょうが」。水を一切入れず、生姜の搾り汁と上白糖のみで炊き上げた昔ながらの味わいが、カレーにさわやかな辛味とほのかな甘味を添えています。
味に深みを与えている赤味噌・白味噌・醤油は、須﨑大漁堂のご近所「丸共味噌醤油醸造場」製。大正時代に創業し、ずっと地域の味として親しまれ、須崎のおふくろの味を支えてきた味噌と醤油の製造会社です。後継者がおらず、一時は廃業を決めましたが、「どうかやめんとってくれ」というお客さまの声がそれを押し止めた歴史があります。
通常は、塩や砂糖を入れて地域の人々の好みの味に仕上げる醤油。「このカレーのために普段は販売していない火入れしただけの醤油を提供しました」と、丸共味噌醤油醸造場の竹中佳生子さん。地域のみなさんの協力を得ながら、ともに作り上げた「ご当地カレー」です。豊かな食の宝庫!最大限に生かしたい
須﨑大漁堂の「地域の食」をプロデュースしたのは、食の専門家である山本徹さん。調理師・栄養士の専門学校を経営する服部学園でイベントプロデュースを務めた経験もあり、日本はもとより、世界を飛び回って食を探求しています。2022年の春から高知県の食についてリサーチを行っていたところ、縁あって須﨑大漁堂の発足チームに参画。7月から高知に居を移し、須崎市や奥四万十の食材や郷土料理、食文化についてさらに調査をしてきました。実際に野菜を育てる人、漁をする人、加工をする人たちに話を聞き、その食べ方を教えてもらいながら、食の豊かさに驚きました。「ここらは何ちゃあないぞね」と言われても、必ず山本さんを唸らせる味に出会いました。「例えば、メジカの新子。須崎と中土佐では捌き方が違って、切身の厚さにもこだわりがある。須崎の鍋焼きラーメンは、冷え切った漁師の体をあたためるためにアツアツで届けてあげたいという思いやりから生まれたもの。ここには、その土地と風土、人から生まれたおいしいものがたくさんあります」。
地域の食に可能性を感じ、須﨑大漁堂では「地元の産物を使い、健康にいいものを使ってプロの味を作る」をコンセプトに、添加物を極力使用しない方向性を打ち出しました。調理スタッフの雇用確保が難しい昨今の事情に合わせて、誰でも簡単にプロの味を提供できるようにするため、個包装のレトルトパウチにしました。
-
須崎のカンパチで作る新名物
須﨑大漁堂のもう一つの名物が、
「アベイユマム」の山﨑裕美さんが作る
あったかいチャウダー。野見湾育ちの須崎カンパチと野菜をたっぷり使い、高知県産の米粉とバター、マルキョーの白味噌で風味豊かなやさしい味わいに仕上げた、オリジナリティあふれる一品です。「アベイユマム」は、高知信用金庫の社員食堂を運営しており、添加物を使わないカラダ思いの料理を作っています。社員の栄養管理にも気を配り、山﨑シェフはみんなのお母さん的存在。日頃から須崎の食材を多く使用しており、中でもチャウダーは人気メニューで、須崎の美味がギュッと詰まった一品として、須﨑大漁堂での提供が決まりました。
白カレー・黒カレーの食材発注から製造までの工程管理と、レトルトパウチのシール貼りも引き受け、「須崎の食の応援団の一員として参加しています」と山﨑さん。チャウダーも、カレー同様レトルトパウチも販売しています。 -
浦ノ内の景色に似合う地バーガー
地元ならではの人気食材を
須崎の人気ベーカリーのバンズで
はさみました。裕美シェフが素材と真剣に向き合いながらレシピを監修しました。 大漁堂バーガーの一つは、100%四万十ポークハンバーグにゆず果汁の効いたマスタードソースが相性バツグン。もう一つは、厚焼卵にたっぷりのまぐろのタルタルソースをかけ、米粉バンズではさみました。さらなる一つは、すり身におじゃこを練り込んだノンフライコロッケにまろやかなパルメザンソースをかけ、竹炭の黒バンズではさみました。
このバーガーのバンズは、須崎で人気のパン屋さん「モンブラン」特製のパン。また、須﨑大漁堂オリジナルの「ミニぼうしパン」もモンブラン製で、ふちのふんわり感にこだわって何度も試作を繰り返して完成しました。お土産にも喜ばれる一品です。 -
その土地ならではの味を大切に
魚好きな人におすすめの
「須崎のサカナ盛り」は、その日獲れた
魚の刺身とチャウダー、ごはんのセット。刺身は、近所の魚屋さんがササッと捌いて盛り込んでくれる新鮮な「出前」。魚屋さんとのファインプレーによって、魚のまちならではの抜群の鮮度で味わえます。
ご近所の菓子店「梅原晴雲堂」の醤油カステラは、ミニパフェに。醤油はもちろんマルキョー醤油を使用しており、なぜか懐かしさが込み上げます。醤油カステラを試食した服部幸應校長は、「これおいしいね。醤油の香りが日本酒に合いそう」と言い、大人な楽しみ方を提案しました。
その他、吉平のあわせしょうがを使ったしょうが茶、アイスクリンを浮かべたフロートがあり、これからの季節にはあめゆがおすすめ。濃いうまみが自慢の津野町のかぶせ茶は、ホット・アイスの両方を提供しています。
ショップでは、これらのお土産物も販売しているので、気に入ったものはぜひご購入を。お店を訪ねて、生産者と言葉を交わすのも楽しい発見につながります。須﨑大漁堂から梅原晴雲堂までは徒歩5分。店主の梅原朗さんは、「季節のお菓子もいろいろご用意していますので、ぜひ散策がてらお立ち寄りいただければ」と話し、そのすぐ前にある丸共味噌醤油醸造場の竹中さんは「この周辺もにぎやかになりそうで、楽しみです」とまちの活性化に期待しています。